遠隔リハビリテーション

図1 GaitMaster2 外観



    図2 システム構成図

歩行のリハビリでは患者に歩行動作時の足の動きを学習させる必要があり、通常は理学療法士が患者の足を実際に動かすなどして訓練を行う。歩行のリハビリは、理学療法士の作業負担が大きく、療法士の数そのものも十分とはいえない。これに対して近年ロボットでリハビリを行う手法が提案されているが、センサーで捕らえきれない微妙な患者の状態に合わせた訓練には理学療法士の直接的な介入が不可欠である。

遠隔リハビリテーションでは2台のロコモーションインタフェースGaitMaster1とGaitMaster2をネットワークで接続し、一方をマスター他方をスレーブとし、マスター側には理学療法士が、スレーブ側には患者が乗る。療法士がGaitMaster上で歩行動作をすると、その動作がスレーブに反映されスレーブ側のGaitMasterが同じ動きをする。これにより患者が歩行動作を体験でき、理学療法士は患者の体に乗り移ったかのような感覚で介在し訓練が行えるので、きめ細かな対応が可能である。また逆に患者の歩行を療法士が体験することで、患者の問題点を直感的に判断できる。

さらに、高速ネットワークにより遠隔地での訓練も可能で、今後の超高齢化社会でのリハビリ、健康増進手段のひとつになりうる。また、上記の1対1の訓練のだけでなく一人の理学療法士が多数の患者に対して訓練を行う1対多の訓練手法を提供できる可能性を持っている。